概要: 五 シエスタ四 キュルケ へ飛ぶ とつぜんの訪問者に、シエスタは眠気も醒めたようだった。「……ミス・ヴァリエール?」「開けてちょうだい」 険のある挙動でシエスタに告げて、ルイズは勝手に押し入った。「ちょっと!」 乱暴に押しのけられて、シエスタはよろめきつつも気丈に反撃する。ルイズはさっと身をかがめ、小柄を生かして機先を制し、部屋の中央に陣取った。「猛々しいんじゃありませんこと!? みんな、休んだばか...
概要: 四 キュルケ三 ルイズ へ飛ぶ 勢いで飛び出してきたものの、昂ぶる欲はどうしようもない。 シエスタのところを訪ねようかとも思った。あの子ならきっと、歓喜に身を震わせて、才人を全部受け入れてくれるだろう。 ルイズがダメだから、シエスタ。 それもなんだか無節操な気がする。 しょぼくれ半分腹立ち半分に、ふらふらとあてもなく寮棟をさまよううちに、通りの角からひょこっと火蜥蜴が顔を覗かせた。「おまえ――キュル...
概要: 三 ルイズ二 ルイズとシエスタ へ飛ぶ 夕暮れも深まったところで、才人はケリ起こされた。 響く罵声は我らがゼロの使い手である。かわいらしい声をかわいらしくない口のききかたで台無しにしながら喚いたところを要約すると、つまりこういうことらしい。 いつまでここにいるつもりか。とっととテントをたたんでしまえ。お前の業務を忘れたか。 才人の業務などあってないようなものだ。ただ四六時中ルイズのまわりをうろつ...