「凛。休んでいないで、舌を使いなさい」
「ふぇ……?」
達したばかりでとろんと眠い凛に、綺礼が強い口調で命じてくる。
「自分だけ楽しんで終わりというのは、いささか優雅さに欠ける。そうだろう? 凛」
「れ、れも……」
きょとんとしながら見上げてみても、綺礼は険しい顔のままだ。
「私がしたように、舌を使ってそこを刺激するんだ。心地よかったのだろう? されたことを思い出し、同じようにするだけだ。何も難しくはない」
当然できて当たり前だという口調で諭されて、凛はおずおずと舌を出す。
「ほう……ふぇすか?」
容赦なく突き入れ、じゅぷじゅぷとすばやい動きでストロークを続ける綺礼のモノに、そっと舌先を当ててみた。それからそっと動かしてみる。
「そうだ……もっと、強く」
ちゅうっ、と吸い付くようにして口をすぼめ、すりすりと幹をなぶってあげると、綺礼は褒美でも与えるように凛の胸に刺激を与え返してきた。
きゅうん、と、胸がうずく。さきほどの絶頂で絞り切られたとばかり思ったミルクが、またしてもじわりと浸透してくる。その感触をもっと味わいたい一心で、凛は必死に舌と顎を使っていった。
「はうっ……じゅくっ……れろっ……」
凛の舌が真っ直ぐな肉をひたむきに辿り、終端に行き着き、また辿っていく。硬いゴムのような強張りを、柔らかい自身の舌や頬肉を使ってきつく締め上げていく。
「じゅっ……じゅぷっ……ぅぷっ……ぐぷっ……」
それでは物足りないのか、綺礼は更に喉の奥深くに無理やり挿入しようと、凛の頭を掴んだ。耐えられないえづきが奥ではじけ、凛の呼吸器官を塞ぐ。
「うぐうぅぅっ……! うぅ……! ふぅーっ……! ぐるうぅぅぅ……!」
同時に綺礼の手が、凛の胸肉を絞り上げた。敏感にさせられている柔肉の中の、ぴんとはりつめた乳線が、溶けるような愛楽を覚える。凛は苦しさも忘れて綺礼のものを必死に受け止めた。
なめしゃぶる綺礼のものが、上あごをも殆ど覆いつくした。
口全体をいっぱいにするほど肥大した綺礼の肉が、舌で押してもへこまないほど硬くなり、鉄のようになった。血がぱんぱんに詰まり、詰まりきって今にも破裂しそうだ。そこを喉奥いっぱいで受け止め、圧迫してやると、綺礼はちいさくうめきをもらした。
剛直が、限界まで突っ張っているのだと分かった。ずっぽりと入り込んでしまって抜けなくなってしまった大きな大きな肉竿を、凛は舌でじゅぷじゅぷと吸い上げていった。
顔色ひとつ変えなかった綺礼が、少しずつ息を乱してきている。
凛は甘い性感と下腹部のうずきでぼーっとしながら、不思議な思いで綺礼を見上げる。
綺礼が余裕を崩すところなど、はじめてみたかもしれない。
「ひれぇ……ひもちいぃ……?」
「悪くはない……つづけなさい」
綺礼の大きな手が、母乳漬けの髪を押さえつけ、凛の口の中を犯す。ただでさえ銜えきれない大きなものに前後左右に揺り動かされて、凛は窒息しそうになった。
「ひぐぅっ……! う、うぶうっ、ぐふ、ふうぅっ……!」
綺礼の瞳に暗い色の火がともる。涙を流し、顔を蒼白にして奉仕を続ける凛にうっとりしているらしい。他人に奉仕を強要させて喜ぶこの男は、どう考えてもまともな精神の持ち主ではない。
息が乱れ、体裁を取り繕う余裕がなくなった綺礼が、凄絶な喜悦を隠しもせずその顔に浮かべたまま、腰まで使って凛の喉奥を陵辱しようとする。何度も激しい突き上げをくらい、凛は意識が飛びそうなほど苦しんだ。
「ひっ、ひれぃ、ひゃ、ぐぅっ、ぐぽうぅっ、ぐじゅうっ、じゅるっ……、じゅくっ……」
重たく濡れた音が立て続けにあがり、舌の付け根や上あごが途切れた柔らかな咽頭部に綺礼の欲の棒が容赦なくなすりつけられる。
凛は気絶しそうになった。壮絶に苦しみ、もがきつつも、されるがままになるしかない。その首を引っつかみ、綺礼は再三にわたって犯していった。
「いい子だ……今から私が出すものも、残らず全部飲み干すように」
凛はもはや聞こえてなどいない。ただはやく終わればいいと思っている。
ぐじゅ、ぐじゅ、と脈動が続き、目を回した凛の頬を綺礼の両手が包み込む。頬の中と外、両方を硬い綺礼の肉ではさまれて、凛の口がすりつぶされる。
気でも違ったのではないかというほど強く突きいれる綺礼を受け止め、涙をこぼす。
破局は綺礼が最大まで強く打ち付けたときに訪れた。
身震いとともに、綺礼の体がぐぅっとしなる。口の中、深くまで自身を埋め込み、びゅくっ、びゅる、びゅるる……と何かを吐き出し始めた。
「ごぼっ……うぐ、うぅっ……!?」
「飲み下しなさい」
綺礼の分厚い手のひらにふさがれて、凛は口の中いっぱいに広がる液体を吐き出せず、仕方なしに喉の奥へ流し込んだ。粘り気を帯びたくらくらするような臭気の液体が、喉にはりつきながら少しずつ消えていく。
「ひぃっ……はぁっ……がはぁっ……けほっ……」
すべてを飲みきり、綺礼の手から開放された。
凛はもう空気を吸うことしか考えられなくなっていた。新鮮な酸素が肺を叩き、霞がかっていた思考が急速に晴れていく。
「……?」
凛は手のひらで酷使に腫れあがった唇をぬぐいながら、その手を握ったり開いたりした。
具合がよくなっている。魔力が充溢し、わけの分からない性魔術の不調などどこかに消えてしまったかのようだ。
そのうえ、胸がなんだか熱くて苦しい。さきほどよりも、重みが増したような気さえする。
「む……」
反対に、綺礼の様子がおかしい。額に脂汗を浮かべているところなんて、初めて見た。
「面妖な……魔力を根こそぎにするつもりか」
「綺礼?」
心配になって見あげる凛を、綺礼は暗い目で一瞥する。
「抗いがたいな……はめられたか」
と、再びその胸元をいじくり始めた。
魔力が隅々まで行き渡り、ぷっくりとおいしそうに膨れ上がる胸の乳首から、だらしなく母乳が垂れ流れる。
「綺礼ぇっ、約束でしょっ、はやく、お口でしてよぉっ!」
ひとまわり肥大化したようにも見える乳房は、いまや重力をものともしない。ふるふると成型された杏仁豆腐のように揺れ動く白い胸の上に、ピンク色の突起が冗談のような大きさでついている。その乳首は、哺乳瓶の先ほどもあった。
谷間に流れて残っていたミルクを、綺礼の指がくちゅりと掬い上げる。肌に塗り込めるようにして全体をもみしだく。
「ふぁっ……あぁ……綺礼ぇっ! ……」
凛の張り詰めた乳腺に尋常ならざる快美感が迸った。がくがくと、ひざが揺れて焦点が飛ぶ。
「あぁーっ? あぁっ? あうぅっ?」
綺礼が無表情に指で乳首の先をはじきながらも、ごくりと喉を鳴らした様子を、凛は見逃さなかった。
綺礼の頑健な顎が開かれ、見た目にそぐわない繊細さで凛の双つの胸のてっぺんにかぶりつき、舌で舐め転がす。まとめあげるのに苦労するほど大きく隆起した胸は、指でほんのりとへこませるだけで大量の液体をしぶかせた。
「あっ、あっ、あぁっ、ああっ、あーっ」
ぷし、ぷしゅっ、と、浅い脈でねっとりと甘いミルクが絞られ、そのたびに凛の眼前で星が飛ぶ。
胸全体が乳首のような鋭敏さを備えたように、ただ手のひらでこねられるだけでひとたまりもなく絶頂しそうになる。
「ふんっ、んんっ、んくぅっ、うぅっ」
ミルクが吸われ、授乳のための小さな管に電撃のような快楽が走る。本来得られる性感を数倍に高めたようなその刺激に、凛の小さな口はだらしなく開かれ、巨大な性悦を感じるための器官と成り果ててしまった肥大乳房がふるふると頼りなく弾む。
凛が茫洋とうつろな視線を彷徨わせる先で、綺礼の酷薄そうな唇が、凛の恥ずかしい胸肉のかたまりを、舌先でつつき、挟み、転がしていく。
「あぁっ……もっとぉ……綺礼ぇ……」
凛の胎内で虫が暴れまわっているのを、なんとはなしに自覚した。まだ入り口も開かれない小さな子宮を食いやぶり、そこに巣食おうとしているのが、超越的な魔力の流れでなんとなく感じられた。
その魔力のありうべからざる流れが、凛には、たまらなく気持ちいい。胸からミルクを排泄するときの甘くとろけるような感触もたまらなかった。だが、綺礼の魔力を注がれ、りんごのように張り出した胸の内部も、虫が着実に食い荒らし、まったく別種の生き物のように作り変えていく感触も、凛には失神しそうなほど気持ちよかった。
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